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木村 敦; 田口 光正; 小嶋 拓治; 平塚 浩士*; 南波 秀樹
JAERI-Research 2004-018, 49 Pages, 2005/01
毒性が高くかつ難分解性である内分泌撹乱化学物質は動物に対して悪影響を及ぼすといわれている。その一つである-ノニルフェノールは、プラスチック及び合成洗剤の原料に用いられ、広く水環境中に排出されている。Co-線照射によって水分子から生成するOHラジカルは非常に高い酸化力を有し、オゾン等の他の処理法では分解が困難な化学物質の分解を可能とする。近年、このOHラジカルを用いた処理法は水環境の保全において非常に注目を集めている。本研究は、水中汚染化学物質の処理法の開発の一環として、線誘起OHラジカルによる-ノニルフェノールの分解の機構解明を行った。-ノニルフェノール,-クレゾール及び4-エチルフェノールをOHラジカルによって酸化分解し、アルキル鎖の長さの違いによる分解機構の差異について考察した。
大本 洋*
PNC TJ1601 96-002, 65 Pages, 1996/03
本委託研究は、高レベル廃棄物地層処分の化学的環境を還元的に保持するために、重要な役割を果たすと考えられる黄鉄鉱および有機物と水溶液の溶存酸素との反応速度とメカニズムを明らかにする、ことを目的とする。3ケ年計画の初年度においては、黄鉄鉱と溶存酸素の反応を、単結晶表面観察法および溶液組成分析法を用い、実験的に検討した。その結果、黄鉄鉱の酸化反応はp型、n型、中間型の半導体性質の相違により、反応速度も反応メカニズムも顕著な違いがあることが判明した。さらに、天然の有機酸として代表的な酢酸およびフミン酸と溶存酸素の反応実験、さらに黄鉄鉱と有機物を多量に含む海洋堆積物と溶存酸素の反応実験を行った。その結果、フミン酸と酸素および海洋堆積物と酸素の反応速度は非常に速いことが明らかとなった。またシナリオ評価の背景情報の一つとして、地球化学的環境の長期的変遷についてのこれまでの知見をまとめる。Eh、pHおよび溶存酸素量の時間的変化から、複雑な反応メカニズムが推察される。またシナリオ評価の背景情報の一つとして、地球化学的環境、特に地表温度と大気のCO2とO2量の長期的変遷について新しい知見をまとめた。
吉田 浩; 小西 哲之; 竹下 英文; 倉沢 利昌; 大野 英雄; 勝田 博司; 渡辺 斉; 成瀬 雄二
JAERI-M 82-194, 47 Pages, 1982/12
本研究は、LiOブランケット体系におけるトリチウムインベントリーに深く関係すると考えられる水分吸着特性を実験的に明らかにしたものである。実験はブランケット運転条件を想定した流通法による吸着操作で行った。実験により、LiO吸着水量I(mol-HO/ton-LiO)とヘリウム気流中水分分圧P(atm)との関にI=56.310exp(13800/RT)Pなる相関関係を見出した。吸着熱は約21kcal/molでありHOの臨界温度以上における吸着が主として化学吸着によるものであることが分かった。また、LiO(S)+HO(g)2LiOH(S,l)なる反応により、LiOH(S,l)が生成する水分分圧及び温度の限界値が明らかにされた。